帯状疱疹の基礎知識
2017年04月17日更新 2017年04月17日公開

痛みをともなう赤い帯状の発疹を引き起こす「帯状疱疹」とは

帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは、痛みを感じる部分に赤い斑点やブツブツなどが帯状に現れる皮膚病のひとつです。その基礎知識だけでなく、気になる人から人へ感染や再発の可能性などについて、ドクター監修の記事でお伝えします。

日本人の5~10人に1人くらいは発症する可能性があるといわれている「帯状疱疹」の感染や再発の有無などを交えながら、帯状疱疹の基礎知識について解説します。

帯状疱疹とは

帯状疱疹は、あるウイルスによって起こるといわれています。それが「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。ヘルペスウイルスの一種で、水疱瘡(みずぼうそう)を引き起こすといわれているウイルスと同じです。そのため、ウイルスの名前が「水痘・帯状疱疹ウイルス」となっているのです。主に、50歳代~70歳代の方に多く見られる病気ですが、条件があえば子供でも発症する可能性があるといわれています。

帯状疱疹の症状と原因

ここでは、帯状疱疹の主な症状とその原因について説明します。

症状

主な症状は、帯状の痛みをともなう発疹です。神経節に潜んでいたウイルスが神経を通って、これらの症状を引き起こします。主に背中や胸などの胴体上部にできやすく、半数以上が上半身に現れるといわれています。この発疹は、身体の左右どちらか一方に出ることが多く、帯状に現れることからこの病名がこの名前がつけられたといわれています。

原因

この水痘・帯状疱疹ウイルスは、水疱瘡の発症後、症状が消えたとしても体内から完全に消えておらず、神経節に何年も潜み続けて、あることをきっかけに活動をすることが原因といわれています。その『あること』は「免疫力の低下」です。これは、ストレスや加齢、過労などのさまざま原因で起こるといわれています。通常、人間の身体には免疫力があるため、身体の中に潜むウイルスが悪さをしないように監視しています。しかし、ストレスなどによって自律神経が乱れ、それによって免疫力の低下を招いてしまい、体内に潜んでいたウイルスを抑えきれなくなって帯状疱疹を発症させてしまうのです。

なかでも60歳代を中心とする50~70歳代は、仕事や家庭などでストレスを感じやすいことから引き起こしやすいといわれています。ただ、若い年代に起こらないということはありません。子供のころに初めて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると、「免疫記憶細胞」ができてウイルスが体内で増殖するのを防ぎますが、この働きが20歳代~30歳代に弱まるといわれており、ストレスも相まって若い世代でも起こる可能性があるのです。したがって、帯状疱疹を引き起こさないためにも、ストレスを溜めこまない生活が重要といえるでしょう。

帯状疱疹の痛みとは

はじめは、皮膚になんの異常も見られないのに、突き刺されているかのようなチクチクとした痛みを感じるといわれています。これは、皮膚に症状が現れるまでに水痘・帯状疱疹ウイルスが神経を刺激しているためだと考えられています。その後、痛みが増すにつれ数日すると皮膚に赤みをともなったオブ状の水疱が現れ始めます。この皮膚症状が現れた1週間~10日後くらいになると痛みがピークに達するといわれており、これ同時に、皮膚症状ももっともひどい状態になるといわれています。

ただ、その後は赤みが徐々に引き、透明から膿が混じった黄色っぽい水疱へと変化します。そして、かさぶたのように乾燥した後、自然にはがれ落ちるとされています。

帯状疱疹はうつる?

帯状疱疹は、水疱瘡と同じウイルスといわれています。水疱瘡の感染経路は、咳やくしゃみなどの飛沫感染、発疹に触れたりすることによる接触感染、空気中に漂うウイルスを吸うことによる空気感染の3つがあり、感染力が非常に強いことでも知られています。このことから、帯状疱疹もうつるのではないかと心配される方も少なくありません。

ただ、帯状疱疹は、一度水疱瘡にかかったことがある人の体内で潜むウイルスが再活動することで起こる病気ですので、帯状疱疹患者から帯状疱疹をうつされるということはあまりないといわれています。しかし、水疱瘡にかかったことがない人の場合、帯状疱疹ではなく水疱瘡としてうつしてしまう可能性があるため、かかりやすいといわれている小さな子供や水疱瘡の抗体がない人との接触は避けたほうがよいでしょう。

帯状疱疹は再発する?

帯状疱疹は、一度発症すると免疫ができるため、再発する可能性は低いといわれています。しかし、加齢やストレス、過労などによって免疫力が著しく低下することがあれば再発の可能性もあるとされており、実際に再発率は増加傾向で、100~200人に1人くらいの割合で起こるといわれます。ちなみに、再発の際は、前回発疹を起こした部位に現れやすいといわれています。

帯状疱疹の治療法

治療は薬を使用するケースが一般的で、主に「皮膚症状の改善」と「痛みの軽減」を行います。それぞれ詳しく見ていきましょう。

皮膚症状の改善

皮膚に現れた発疹は、さまざまな役割を持つ塗り薬やウイルスの増殖を抑える内服薬によって治療されることが多いですが、状況によっては入院となり、点滴で薬を投与することもあります。

  • 塗り薬

抗ウイルス効果が期待できるものもあれば、細菌の感染から皮膚を保護したり、腫れや痛みを和らげたりする役割がある薬もあり、症状に応じて処方されます。

  • 内服薬

ウイルスが増殖しないよう、抗ヘルペス薬を服用します。ただ、これには殺菌作用はないといわれています。つまり、あくまでも増殖を防ぐだけです。また、2日間ほどしないと効果が現れにくいといわれていますので、症状の改善がみられないからといって、勝手に服用を中止したり、薬の飲む量を増やしたりしないようにしましょう。

痛みの軽減

痛みがひどい場合は、鎮痛薬が処方されます。非ステロイド系の消炎鎮痛薬が一般的ではありますが、病院によっては神経障害性疼痛治療薬や抗うつ薬を処方される場合もあります。また、鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらないという場合、注射を使用して症状を引き起こしている神経の周囲へ局所麻酔をする「神経ブロック療法」を行うこともあります。

痛みは仕方ないと諦めてしまう方もいますが、痛みを我慢することで「帯状疱疹後神経痛」といういつまでも痛みが続く後遺症を残してしまうことがあります。これらの薬には、痛みを残りにくくするという重要な役割もあるといわれていますので、鎮痛薬などをうまく利用して痛みをコントロールすることも大切です。

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