膀胱炎の基礎知識
2017年04月24日更新 2017年04月25日公開

膀胱炎とは?膀胱炎の症状

一般的によくみられる膀胱炎は急性膀胱炎ですが、膀胱炎には、他にもいくつかの種類があります。膀胱炎の症状や原因、治療法や日常生活で気をつけたいことについてドクター監修の記事で解説します。

膀胱炎には、一般的に膀胱炎と呼ばれている急性膀胱炎の他にもいくつか種類があります。また、膀胱炎の症状、原因、治療法、予防に関して解説していきます。

膀胱炎とは

膀胱炎とは、膀胱の粘膜が細菌によって炎症を起こす病気です。私たちの身体にも存在している大腸菌などの細菌は、身体が健康なときは、尿道に侵入しても、尿とともに体の外へと排出されるため無症状ですが、疲れやストレスによって免疫が低下していると、尿道から侵入した細菌が、膀胱の中で増えて膀胱炎を起こします。膀胱炎が女性に多くみられるのは、男性に比べて尿道が短く、肛門、膣などと尿道の距離も近いため、尿道口から細菌が侵入しやすいためです。

膀胱炎で一般的によくみられるのは急性膀胱炎ですが、他にも、慢性膀胱炎、出血性膀胱炎、間質性膀胱炎があります。

急性膀胱炎

一般的に膀胱炎と呼ばれるのは急性膀胱炎のことを指します。排尿後も残尿感があり、排尿痛や頻尿、尿の濁りなどがみられます。病気をした後や、疲れやストレスなどによって、身体の免疫力が低下しているときに、細菌が尿道から侵入して感染し、膀胱が炎症を起こします。

慢性膀胱炎

急性膀胱炎の適切な治療を受けなかった場合や、薬剤耐性菌によって、薬物療法を行っても症状が長引き、慢性的に症状がみられる場合があります。前立腺肥大症や尿路結石、膀胱結石、糖尿病などの疾患があった場合は、身体が感染を起こしやすい状態であり、膀胱に細菌が入って感染を起こし、膀胱炎の症状が慢性的にみられることがあります。

出血性膀胱炎

ウイルスによる感染や抗がん剤、免疫抑制剤、抗アレルギー剤などの薬剤、がん治療の放射線療法によって、膀胱の粘膜に炎症が起こり、粘膜全体から出血がみられる場合に、排尿痛や残尿感、頻尿の症状とともに血尿(血の混じった尿)が出ます。

間質性膀胱炎

原因はまだはっきりとはわかっていませんが、膀胱の粘膜に異常が起こることによるといわれています。尿に異常はみられないものの、排尿痛や頻尿など、急性膀胱炎と同じような症状がみられます。膀胱に尿が溜まっているときに痛みが増し、排尿して膀胱が空になると、痛みは軽くなります。進行すると膀胱の萎縮が起こり、症状が軽くなったと思えば、また、症状がぶり返すことを繰り返し、なかなか症状が改善しません。

膀胱炎の症状

特に一般的な急性膀胱炎(以下、膀胱炎)の特徴的な症状は、排尿痛、頻尿、尿の濁りの3つですが、他にも以下のような症状がみられます。症状の程度は人によってさまざまです。

●何度も尿意を覚え、トイレに頻回に行く

●排尿時にヒリヒリ、ジンジンといった痛みや、焼けつくような痛みを感じる

●尿の色が濁っている、白く泡だったようになっている

●排尿し終えた後も、まだ尿が残っているような違和感がある

●下腹部痛、下腹部が何となく気持ち悪い感じがする

膀胱炎になる原因

膀胱炎は女性に多くみられます。生理や性行為、妊娠など、尿道へ細菌が入りやすくなる機会が多く、以下のようなことから膀胱炎にかかりやすい傾向があります。

●女性は、膣や肛門と尿道が近い場所にあり、細菌が尿道へと侵入しやすい。

●女性は、男性と比べて尿道が約4cmと短いため、細菌が逆行しやすい。

●大便後の後処理の際に、肛門から尿道へ向けて拭くと、大腸菌が尿道へと入り込みやすくなる。

●性行為の際に、膣の周囲に存在する細菌が尿道に入りやすくなる

●生理中や出産後は、膣より出血がみられるため、膣周囲に細菌がつきやすくなっており、同じ生理ナプキンを長時間使用し続けることで、細菌が繁殖し、尿道へと侵入しやすくなる

●妊娠中は身体の抵抗力が落ちるために感染を起こしやすくなり、膀胱炎になりやすくなる

●更年期には女性ホルモンの分泌の減少によって、膀胱の粘膜が萎縮して傷つきやすくなり、感染を起こしやすくなる。

●加齢によって骨盤底筋群の筋力低下が起こると、膀胱を支える力が弱くなって、尿が膀胱に残りやすくなり、細菌が繁殖しやすい環境となる。

その他、学校や仕事などで、トイレを長時間我慢しなくてはならない環境にある場合や、トイレを我慢する傾向がある人、疲れやストレス、過度のダイエットによって身体の抵抗力が落ちているときには膀胱炎になりやすくなります。

膀胱炎の治療

頻尿や排尿痛、残尿感、尿の濁りなどの症状と尿検査によって、膀胱炎であると判断された場合には抗生剤が処方されます。膀胱炎で主に処方される抗生剤は、膀胱炎の原因としてもっとも多い大腸菌に効果のあるニューキノロン系、セフェム系、もしくはグラム陽性菌に効果のあるペニシリン系です。

急性膀胱炎の場合は、抗生剤の服用で4~5日程度で治癒しますが、抗生剤が効きにくい場合は、膀胱炎の原因菌を培養検査によって特定し、原因菌に効果のある他の抗生剤を用います。抗生剤を変えて治療を行った場合でも、ほとんどの場合は2週間程度で治癒します。重症の場合は注射や点滴治療が行われます。

膀胱炎の予防

トイレを我慢する傾向がある場合や、陰部を清潔に保つことを怠っている場合、身体の抵抗力が落ちている場合は膀胱炎に繰り返しかかりやすくなります。膀胱炎を予防するためには、日常生活で以下の点に注意しましょう。

●排尿は我慢せずに、尿意を感じたらトイレへ行く

●排泄の後は、前から後ろへと拭くようにする

●下着は清潔なものを使用して、陰部を清潔に保つ

●生理ナプキンはこまめにとりかえて、長時間同じものを使わない

●性行為では、お互いに陰部を清潔にし、性行為後はなるべく早く排尿する

●疲れやストレスを溜めない

●栄養バランスのよい食事を心がけ、規則正しい生活を送る

●水分はこまめにとって排尿を促す

●体を冷やさないようにする

膀胱炎を疑う症状が現れたら早めに泌尿器科、もしくは内科、婦人科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。自己判断で手持ちの薬を服用したり、治療せずにいると長引いて慢性膀胱炎となる場合もあります。なかなか治癒しない膀胱炎も、間質性膀胱炎や他の病気が隠れていることもあるため、再度受診するようにしましょう。

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